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ネパールのチベット難民について
なぜチベット難民は、ネパールにやってくるのか?
インドへたどり着けない難民達
2008年チベットで起こった大規模な暴動の後、中国の治安体制は一層強化され越境はさらに困難な状況なったものの、現在でも年間平均200人のチベット人が自由を求めて亡命して来ています。 彼らの目的は、チベット亡命政府のあるインドのダラムサラへ行くことです。ではなぜ、インドではなくネパールに逃れてくるのでしょうか? それは、チベット、ネパール、インドの位置関係と、そこに横たわるヒマラヤ山脈に関係があります。 難民たちがチベットから直接インドへと逃れるルートは、標高が高く、またその道のりは厳しく、非常に越境が困難なのです。チベット→ネパールの越境ルートも困難ではありながら、チベット→インドのルートに比べると様々な面で無事に亡命できる確率が高いのです。このような事情により、多くのチベット難民は一度ネパールへと逃れ、そこでチベット亡命政府の難民認定を受け、ダラムサラへと向うのです。
ヒマラヤを越えて逃れてくる難民の約半数は、子どもたちです。彼らの両親は、「わが子にだけは、チベット人としての教育と自由を。」との思いから、少なからぬ金額を越境業者に支払い、子ども達を送り出します。途中、様々な危険が彼らを襲います。凍傷になり、手足の指を失う人、命を失う人もいます。越境を中国警察に見つかり、連れ戻され、思想教育の施設に送られ自由な行動を制限される人もいます。それだけの危険を冒してもなお、年間数百人のチベット人が中国から逃れてくるのです。